ブレーキフルード
全ての自動車と大半のオートバイが油圧ブレーキを採用していますが、車両の高性能化(高速化)に伴い、ブレーキの役割は益々過酷なものとなっています。
本来、ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換するものですから、システム全体が大変熱くなります。その熱によってペーパーロックしないブレーキフルードが求められます。
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ペーパーロック |
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ローターやブレーキパットの熱がフルードに伝わり、フルードが沸騰してしまい、気泡が出来てしまう事。この気泡がつぶれるためにブレーキペダル(レバー)の力がブレーキシステム本体に伝わらなくなってしまう事。
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フェード |
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高温のためにブレーキローターとパットの摩擦係数が小さくなり、制動力が低下してしまう事。(基本的にフルードの問題でなく、ローターとパットまたはライニングの材質の問題)
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ブレーキフルードに求められる性質
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1)高い沸点を持ち長時間使用しても、ペーパーロックを起こさないこと。
2)吸湿性が少なく、使用中の沸点降下が少ないこと。
3)温度による粘度変化が少ないこと。
4)化学的に安定していること。
5)金属の発錆、腐食を起こさないこと。
6)ゴム部分に膨潤、軟化、硬化等の悪影響を与えないこと。
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ブレーキフルードの規格
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DOT |
3 |
4 |
5 |
JIS |
3種 |
4種 |
- |
沸点(℃) |
205以上 |
230以上 |
260以上 |
ウェット沸点(℃) |
140以上 |
155以上 |
180以上 |
引火点(℃) |
82以上 |
100以上 |
100以上 |
動粘度CST ?40℃
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1500以下 |
1800以下 |
900以下 |
50℃
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4.2以上 |
4.2以上 |
4.2以上 |
100℃
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1. 5以上 |
1. 5以上 |
1. 5以上 |
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沸点(ドライ沸点)とウェット沸点があるのは、水分を吸収すると沸点が下がってしまうので、DOT規格では、その両方の沸点を定めています。(ウェット沸点は、3%の水分を含んだ状態での沸点です。)
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ブレーキフルードのベースオイル
ブレーキフルードには以下の3種類のベースオイルがあります。
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ミネラルベース |
シトロエンのLHM(ブレーキ/ハイドロサスペンション用) |
シリコンベース |
旧英国軍、ハーレーダビットソン、一部レース用) |
グリコールベース |
上記以外のほとんど全てのブレーキフルード(含むMOTUL商品) |
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*上記3種のブレーキフルードは決して混合したり、違う種類のフルードに交換することは出来ません。その為、グリコールベースのDOT5はDOT5.1という表記になっています。
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MOTUL Product Line-Up |
RBF 600 FACTORYLINE
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DOT 5.1 BRAKE FLUID
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